福井県小浜市と県は4月12日、同市国富地区の人工巣塔に営巣する国の特別天然記念物コウノトリのペアの卵がふ化し、県内で今年初となるひな4羽の誕生を確認したと発表した。県内の野外でのひな誕生は5年連続、同市では3年連続。
ペアは、2018年に兵庫県養父市で生まれた雄「誠」と、同年に島根県雲南市で生まれた雌「はるか」。21年から毎年同じ巣塔で産卵しており、同年に小浜市で57年ぶりとなるひな3羽が誕生。22年にも4羽が生まれ、いずれも巣立っている。
市によると、今年は3月2日に本格的な抱卵に入ったと推定。4月3日に親鳥がひなに餌を与える行動が複数回見られ、同8日に市職員が4羽の姿を映像で確認した。順調に育てば、6月上旬から下旬に巣立つ見通し。
同市で3年連続のひな誕生を受け、松崎晃治市長は「これまで以上に地域一体で環境づくりに取り組む」とコメントした。
市は巣塔から150メートル以上離れるなどマナーを守って観察するよう呼びかけている。