鉄道撮影愛好家「撮り鉄」らが持ち寄った鉄道写真が壁一面に並べられている福井県敦賀市のJR新疋田駅の交流施設内ギャラリーが「つるが鉄道ギャラリー愛発(あらち)」に生まれ変わった。展示写真の一部をデータ化して上映するデジタルサイネージを新設し、劣化させることなく残していけることになった。整備した市の担当者は「写真をデータ化することで、敦賀を訪れて飾ってくれた人の思いも色あせず残していけたら」と話している。
同駅周辺は勾配を登るために線路がループ状に走る「鳩原ループ」や、トンネルの出入り口、山あいをカーブして走る線路など絶好の撮影スポットがあることから「撮り鉄」が全国から集まる“鉄道の聖地”。市は2006年10月、JR直流化に合わせ駅舎をログハウス調に整備し、待合室を自由に作品を並べることができる「みんなのギャラリー」として開放してきた。
多くの写真が寄せられたことから一部を鉄道資料館や愛発公民館に移動するなどしてきたが展示スペースに限りがあることや、経年劣化を避けるため、データ化して43型デジタルサイネージで上映することにした。名称は「つるが鉄道ギャラリー愛発」とし、列車側面の方向幕を模した看板も設置した。事業費は約102万円。
ギャラリーには雷鳥やトワイライトエクスプレス、越美北線、福井鉄道のフクラムなど県内関係の鉄道に加え、全国各地の鉄道写真が並ぶ。デジタルサイネージでは約130点を上映する。ギャラリー完成式で渕上隆信市長は「(ギャラリー名称に)愛発、愛の出発点の名前が入り、注目してもらい、交流施設からにぎやかさが広がっていけば」とあいさつ。愛発地区の前川豊区長会長は「新幹線開業も迫り、今まで以上に多くの人が来てもらえたらうれしい」と話していた。
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