約3万5千本のLEDライトが設置された栽培室=31日、おおい町尾内(山村JR貨物きらベジステーション提供)

 山村JR貨物きらベジステーション(本社兵庫県尼崎市)が福井県おおい町尾内の休耕地に建設を進めていた植物工場が完成し3月31日、現地で竣工式(しゅんこうしき)が行われた。工場の栽培面積としては県内最大規模で、水耕栽培による安定供給を実現。年間約260トンの出荷を目指す。4月3日に稼働する。

 工場は鉄骨平屋建て、敷地面積約7500平方メートル、延べ床面積約3400平方メートル。県や町の補助を受け総工事費は約22億円。フル稼働時は50人のパート従業員の地元採用などを予定している。

 4月からケール、今夏以降にクレソン、セロリの栽培を始める。栽培室には約3万5千本のLEDライトが設置されており、1カ月で最大約20トンの野菜を収穫できる強みがある。種植え、室内の温度・湿度管理、LEDの光量調整は自動化され、従業員は収穫や選別、包装などを行う。町内や関西圏のスーパー、通販業者などに出荷する。

 同社は日本山村硝子(本社兵庫県尼崎市)とJR貨物(本社東京)による合弁会社。

 竣工式には、関係者ら約40人が参加。同社の木村周二社長(59)らが玉串を奉納した。木村社長は報道陣の取材に対し「尼崎にある工場では1日に3千個野菜ができるが(おおい町では)5、6倍になる。これから生産確認をしながら徐々に稼働率を上げていきたい」と話した。

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