福井県敦賀市木崎の「お茶とハーブの店 茶蔵」が中池見湿地で育てた米を原料にした玄米茶を開発し、21日から販売している。代表の大内裕子さんは「中池見の自然を大切に思う人たちの気持ちが詰まっている。ぜひご賞味ください」と勧めている。
茶蔵はハーブティーや紅茶、緑茶などの専門店。裕子さんと夫の清隆さんで切り盛りしている。子どもが幼い頃はよく同湿地に遊びに連れて行ったという。長男はザリガニ釣りや米作りなどのイベントにも参加し、「家族で中池見の魅力にハマった」(裕子さん)。
2021年秋に、NPO法人中池見ねっとから「(22年7月の)ラムサール条約登録10周年を記念した事業をやるので何かアイデアを教えて」と打診があり、「中池見玄米茶」を作ることに。敦賀商工会議所が市の委託を受けて実施する「敦賀チャレンジ企業応援補助金」を活用した。
裕子さんと清隆さんは同湿地で無農薬の米作りに挑戦できる同NPOの「ミニ田んぼサポーター」に参加。昨年5月以降、田植えや稲刈りに汗を流した。玄米茶には、他の参加者から提供を受けた米も使用。福井市の製粉会社に依頼して焙煎(ばいせん)の度合いが異なる4種類の焙煎米を作ってもらい、最も緑茶と合う香りや香ばしさのものを選んだ。
緑茶は、京都府宇治市が玄米茶発祥の地といわれていることにちなみ、宇治茶の「雁ケ音」を使った。焙煎米の香ばしさと、雁ケ音の上質なうま味やあまみがマッチした味わいになっている。リーフタイプ(100グラム)を150本、ティーバッグ(3グラム×10袋)を1500本作った。
売り上げの一部は同NPOに寄付し、保全活動に活用してもらう。今後も毎年ミニ田んぼサポーターに参加し、中池見玄米茶を作っていくという。裕子さんは「サポーターの皆さんの中池見への気持ちがこもっている。無農薬でほぼ自然農法だから、お米の味が違います」と話していた。
リーフタイプが864円(税込み)、ティーバッグは540円(同)。茶蔵のほか、市役所1階の売店「日々是好日」でも販売している。問い合わせは茶蔵=電話080(8695)2645。
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