中池見に春がやってきた。藤が丘駐車場は満開の桜とコブシが美しさを競い合う。アセビの花も今が盛り。雑木林の「こもれびのみち」ではトクワカイカリソウやタテツボスミレ、ショウジョウバカマが湿地へといざなう。
ビジターセンター近くの小池ではミツガシワが“春の主役”とばかり縮れた毛をつけた白い花を次々と咲かせ始めた。百花繚乱(りょうらん)ならぬ白花繚乱だ。氷河期からの生き残りで、県内では生育地が限られていることから県域準絶滅危惧種に区分される。県内随一の群落地がある大野市の妻平湿原よりは1カ月ほど早く見頃を迎える。
真っ青な空では、雲がぷかぷかと流れ、トンビがピーヒョロロと鳴きながらゆっくりと旋回する。田んぼの土手ではツクシの背比べも。生き物たちの活動が活発になる季節が今年も始まった。
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