後瀬山城や小浜城に関する遺物や史料が並ぶ企画展=小浜市の山川登美子記念館

 福井県小浜市の後瀬山城と小浜城をテーマにした企画展「わかさ小浜の城」が同市の山川登美子記念館で開かれている。発掘調査で見つかった遺物や城主にまつわる史料など26点を並べ、中世と近世の城郭の違いや港町・小浜の繁栄を伝えている。10月31日まで。

 25、26日に同市で行われる「越前若狭お城フェス2025」に合わせた企画展。小浜を代表する二つの城にスポットを当て、理解を深めてもらおうと市が企画した。

 後瀬山城は1522年に若狭国守護の武田元光によって築城され、1601年、小浜城の築城開始とともに廃城となった。1997年に国史跡に指定された。展示では若狭武田氏に関する書状や航空レーザー測量のデータで作成した「赤色立体地図」を基にした立体模型を披露、現在の後瀬山に残る城の痕跡が一目で分かる。

 若狭武田氏は山の麓にある旧小浜小の辺りに居館を設けていた。2006年から22年に行われた市の発掘調査で発見された遺物も展示。外国産磁器の破片からは港町として海外などとのつながりがうかがえる。金属を生産する際に使用する坩堝(るつぼ)も見つかっており、武器の製造も行われていた可能性があるという。

 小浜城は京極家が築城を始め、1636年に小浜藩主酒井忠勝が完成させた。若狭国唯一の近世城郭で天守閣などを備えていたが、1871年に火災で焼失。跡地に小浜神社が創建され、県史跡に指定されている。

 展示品には城内施設を示す絵図や忠勝に関する史料、発掘現場の写真などもある。京極家と酒井家それぞれの瓦を並べ、模様の違いなども比較できる。午前9時~午後5時(入館は午後4時まで)。火曜定休。大人300円、大学、高校生は200円、中学生以下は無料。

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