• リニューアル開館から10周年を迎える敦賀赤レンガ倉庫=9月30日、敦賀市金ケ崎町
  • 昭和の敦賀の街並みを忠実に再現した巨大ジオラマ=敦賀赤レンガ倉庫
  • にぎわう敦賀の街を精巧に再現したジオラマ
  • 10周年記念イベントのチラシ
リニューアル開館から10周年を迎える敦賀赤レンガ倉庫=9月30日、敦賀市金ケ崎町

 福井県敦賀市を代表する観光地の一つ、敦賀赤レンガ倉庫(金ケ崎町)が今月、リニューアル開館から10周年を迎える。北陸新幹線敦賀延伸を追い風に2024年度の入館者は前年度比32%増の約13万6600人となり、25年度に入っても堅調に推移。累計では130万人を突破した。金ケ崎エリアでは鉄道公園やオーベルジュ(宿泊機能付きレストラン)の整備が計画されており、周辺施設との連携強化やリピーター確保が今後の課題だ。

 国登録有形文化財の赤レンガ倉庫は1905年に石油貯蔵庫として建てられ、2015年10月14日に観光施設としてリニューアルオープンした。2棟あり、北棟がジオラマ館、南棟がレストラン館となっている。

 明治後期~昭和初期の敦賀の鉄道と港の街並みを再現した国内最大級の鉄道ジオラマ(全長27メートル、奥行き7・5メートル)は鉄道ファンらを引きつけてきた。「シルバニアファミリー」や「きかんしゃトーマス」など人気キャラクターを絡めた企画展で親子連れや女性客の開拓も図ってきた。

 入館者は新型コロナ禍で20年度は約7万5千人、21年度は約9万1千人と10万人を割り込んだが、新幹線効果で回復。指定管理者として10年前の開館時から運営を担う丹青社(東京)の早田勇二施設長は「マイカーによる来館者に加え、敦賀駅から周遊バスを利用して来られる観光客も目立つようになった」と言う。

 来年4月から5年間、指定管理者として引き続き丹青社を指定する議案が開会中の市議会で可決される見通し。早田施設長は「お客さまを飽きさせないようジオラマ館での企画展やレストランの新メニューなどで施設の『鮮度』を保ち続けていきたい」と語る。

 金ケ崎エリアでは市資料館「人道の港 敦賀ムゼウム」や敦賀鉄道資料館に加え、廃線敷を活用した「敦賀みなと公園」や民間事業者によるオーベルジュ、マルシェが整備される予定。市は赤レンガ倉庫の鉄道ジオラマに関してリニューアルに向けた基本計画を来年度立てる方針で、一帯の観光拠点化を目指す。

12日記念イベント かに汁400杯振る舞い

 敦賀赤レンガ倉庫は12日、10周年記念イベントを開く。かに汁が無料で先着400杯振る舞われるほか、飲食や雑貨販売、ものづくりワークショップが予定されている。

 倉庫前のオープンガーデンを会場に開催する。不用品を譲り合ったり交換したりする催し「クレヤルカエル」や、出店店舗を巡るスタンプラリーも企画。フラダンスや殺陣パフォーマンスも繰り広げられる。

 午前10時~午後4時。荒天時は中止。

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