• 小浜西組の町屋を改修し整備された1棟貸し古民家「椿とことは」=小浜市飛鳥
  • 海をイメージした半露天風呂
小浜西組の町屋を改修し整備された1棟貸し古民家「椿とことは」=小浜市飛鳥

 福井県小浜市の国の重要伝統的建造物群保存地区「小浜西組」に、空き家を改装した1棟貸し古民家「椿とことは」(同市飛鳥)が今月開業した。明治期の町屋の趣を残し、小浜の伝統工芸を生かした上質な宿で、ターゲットにした「大人の女性」に癒やしの時間を提供している。

 同市出身で高浜町在住の女性がオーナー。古里で宿泊施設の開業が夢だったといい、風情ある町並みの西組にたたずみ、かつて茶屋で空き物件になっていた町屋を見つけた。小浜を感じながら心身をリラックスしてもらいたい思いと、安らぎのある昔ながらの雰囲気をまとった古民家が合致。リノベーションしての開業に踏み切った。

 和室の階段たんす、はしご階段などの造りは残しながら、金箔(きんぱく)や貝殻を施した若狭塗の座卓を配置。寝室の壁紙には銀色に染色した若狭和紙を使用するなど、小浜の伝統工芸をふんだんに生かしている。

 大人の女性向けに「美と健康」を意識したサービスも充実。半露天風呂は海をイメージした青色のタイル張りの浴槽に仕立て、小浜ガラスのランプシェードで青くライトアップされた中庭を眺めながら入浴できる。老廃物などを体外へ排出する「デトックス」効果が期待できる岩盤スパと小浜の名水「雲城水」のウオーターサーバーも用意した。朝食では美肌効果などが得られるという若狭町の黒米が食べられる。今後は市内の食事処による宿での夕・朝食付きのプランなども予定している。

 木造2階建て。2人利用時1人あたり1万7820円から。基本的に最大6人宿泊可能。

 開業に当たっては県外者が来県目的となるような、新規の施設整備に補助する県の「多様な宿泊施設整備支援事業(新規開業枠)」を活用した。

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