「うなぎや源与門の黒カレー」を共同で開発した(左から)甲斐さん、小堀さん、山岸さん=26日、若狭町の同店

 福井県若狭町の三方湖や水月湖で捕れたウナギの希少部位をカレールーに溶かしたレトルトの黒カレーが完成し、町内の道の駅などで販売されている。町内の老舗「うなぎや源与門」が、ウナギの端材を使った黒カレー店を高知県を拠点に全国展開する「間借りの黒カレー」と共同で開発した。若狭町特産のウナギをアピールする。

 うなぎや源与門の4代目店主の小堀さんによると、ウナギの頭部は、深いうま味と高い栄養価が詰まっているものの、料理に使うのは難しかった。活用方法を考えていたところ、間借りの黒カレー代表の甲斐さんと共通の知人を介して知り合い、3月から同町産のウナギを使って開発を進めてきた。「もったいない」をアピールしようと、越前市の「山岸和紙店」にも協力を呼びかけ、越前和紙の端材を商品パッケージの帯にした。

 ウナギの頭部をミキサーでミンチ状にし、委託先の県外の工場で頭部特有のうま味を最大限に引き出したルーを製造。食べ終えると、ウナギのうま味がじんわりと口の中に広がるカレーに仕上がった。

 6月26日は、渡辺町長や、山岸和紙店の山岸専務、観光施設関係者らを招いた試食会が同店であった。渡辺町長は「後味がいい。ウナギの脂とスパイスがうまくかみ合っている」と絶賛し、「若狭町はSDGsを大切にしている町。大変期待している」と話した。小堀さんは「今までにないウナギの活用の仕方が見つけられた。若狭町特産のウナギの認知度向上にもつながれば」と期待した。

 商品名は「うなぎや源与門の黒カレー」で、同店や道の駅三方五湖、レインボーラインなどで販売されている。一食千円。

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