海底熟成した日本酒(左)が楽しめる飲み比べセット=小浜市生守のハマセ酒店小浜店

 福井県小浜市内の漁業者や酒造業者らでつくる有志グループがこのほど、小浜湾で海底熟成させた日本酒を商品化した。100セットの限定販売で熟成前の酒とセットで販売し、飲み比べが楽しめる。

 海底熟成は宇久定置網(宇久)の浦谷社長が、地元の小浜酒造(中井)などと協力し「UMI好きープロジェクト」として2022年2月から取り組んできた。今回の酒は今年3月から宇久漁港沖合1・5キロ、水深17メートルの場所で3カ月ほど熟成させた。

 熟成に使用した日本酒「純米わかさ」は、小浜産の酒米を使用した生酒。コメの味がしっかりと感じられる点が特長。低い水温や波の振動などで角が取れたまろやかな味わいに仕上がったほか、琥珀(こはく)色に色づいている。熟成酒の瓶には海底に沈める際にケースに固定するためのひもを残したほか、タグのQRコードを読み取ると、海中の日本酒の様子などを撮影した動画が閲覧できる。

 浦谷社長は「ようやく念願がかなった。味の違いを楽しみながら、海の持つエネルギーを感じてほしい」と話した。

 熟成前が720ミリリットル、熟成酒は300ミリリットル。価格は5500円でハマセ酒店小浜店(生守)で販売している。今後取扱店舗も増やす予定。11月にも海底熟成を行うという。

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