福井県美浜町宮代の彌美(みみ)神社で5月1日、例大祭が行われ、県無形民俗文化財に指定されている「王の舞」が奉納された。住民らが見守る中、五穀豊穣(ほうじょう)を祈り、優美でたおやかな舞が披露された。
同神社の例大祭は千年以上の歴史があるとされ、しなやかで華麗な動きが特徴の王の舞は「女の舞」とも呼ばれている。
今年の舞い手が鮮やかな赤の衣装に鳳凰を模した冠、鼻高面をつけて登場。長さ約2メートルの鉾(ほこ)をかざして体を反らせたり、腰を落としたまますり足で踏み出したり、ゆっくりとした動きを繰り返した。
舞い手は「ようやくこの舞台に立てて、伝統を代々受け継いできた先輩たちと同じ一員になれたような気持ち。大きな声援をもらえてうれしかったし、やりきった達成感でいっぱいです」と充実した表情を見せていた。
王の舞の前には、男衆がもみ合いながら神木を本殿に迎える儀式「大御幣(おおごへい)押し」があった。
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