食で人を癒やそうと、福井県若狭町にIターンした野﨑翎子さんが10月4日、同町仮屋に、グルテンフリー(小麦不使用)、デーリーフリー(乳製品不使用)、エッグフリー(卵不使用)のパンや焼き菓子、ケーキなどを扱うカフェ兼販売所「パンとごはん研究所」をプレオープンさせる。「体の内面から生活にいい循環を生み出していきたい」と意気込んでいる。
野﨑さんは夫、現在1、3歳の子ども2人と大阪府枚方市で暮らしていた。若狭町の子育てしやすい環境に引かれ、今年3月末に同町仮屋の空き家に移住した。
大学院生時代にアルバイトしていた紅茶店で、一杯の紅茶で客が癒やされる様子を見て「食で人を内面から整えたいと思った」と野﨑さん。2016年から1年間、カナダで農薬や化学肥料を使わない農法を学んだり、飲食店で働いて海外のグルテンフリーなどの食事情について理解を深めたりした。帰国後も、京都市の朝食専門店や埼玉県熊谷市の48度以下で調理するローフード製法のレストランで働き経験を積んだ。
パンとごはん研究所は自宅の離れに設ける。ふくい産業支援センターのUIターン移住創業支援事業に採択され、今年7月から準備を進めてきた。
野﨑さんによると、小麦粉に含まれる2種類のタンパク質が絡み合ってできるグルテンは腸の表面に付着して消化吸収を妨げる。小麦粉の代わりにタカキビ粉や玄米粉を使い、牛乳は豆乳やココナツミルクで代用。卵の代わりにはチアシードとオオバコの外皮を使う。野﨑さんは「小麦や乳、卵アレルギーの人でも味わってもらえる」と力を込める。無農薬の材料だけを使い、添加物不使用のコーヒーやハーブティーなどのドリンクも販売する。
プレオープンの11月まではテイクアウトのみで、イートインは12月から始め、平日を中心に週3日ほど営業する予定。
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