福井県小浜市唯一の造り酒屋、小浜酒造の純米大吟醸「五芒星(ごぼうせい)」が、6月下旬に開かれたイタリア最大規模の日本酒コンテスト「ミラノ酒チャレンジ2023」で、最高位のプラチナ賞に県内で唯一輝いた。ラベルやパッケージを評価するベストデザイン賞にも選ばれ、同社は「味と見た目の両面で認められうれしい」と喜んでいる。
同コンテストは2019年から開催されている。大吟醸酒、吟醸酒など4部門あり、各部門でテイスティング、デザインのほか、パスタなど食事との相性を見るフードペアリング審査がある。審査員はイタリア酒ソムリエ協会の認定資格を持つ現地在住のシェフやバーテンダーらが務める。
今年は総勢135人の審査員が、日本やイタリアなどから出品された計548銘柄を審査。プラチナ賞は各部門の上位約10%に贈られ、五芒星が出品された純米大吟醸・大吟醸酒部門では22銘柄が選ばれた。
五芒星は、平安時代の安倍晴明を祖とする天社土御門神道本庁(おおい町)の協力で、同庁が作る暦に基づき工程のスケジュールを決めたのが特徴。小浜産の酒米山田錦を使用し、初蒸しは天の恩恵を受ける「天恩日」と年6回ほどの最高の吉日「天赦日」が重なる日に、酒を搾る上槽は、1粒のもみが万倍に実る意味があり縁起が良いとされる「一粒万倍日」に行うなど吉日を選んだ。
陰陽道(おんみょうどう)で「五芒星」とは魔よけの意味を持つ星形の印のこと。ボトルにはこの印を描いて紙垂を垂らし、パッケージには月夜をイメージした細工を施した木箱を用いて見た目もこだわった。
「小浜の米と水が良いことを改めて確信した」と小浜酒造の代表取締役。「市内唯一の酒造として続いていくためにも、海外の販路を開拓していきたい」と話した。
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