• 美浜東小の児童が描いたカッパのイラストが入った竹灯籠=19日、美浜町佐田
  • 寄贈された竹灯籠を興味深そうに見る児童
美浜東小の児童が描いたカッパのイラストが入った竹灯籠=19日、美浜町佐田

 福井県美浜町佐田に伝わる民話「河童(かっぱ)の詫(わ)び証文」をアピールしようと、佐田伝統文化保存会はこのほど、美浜東小児童が描いたカッパのイラストが入った竹灯籠200個を作った。8月に帝釈寺(同町佐田)で4年ぶりに行われる納涼盆踊りで会場までの沿道に設置する。

 同民話は、河口で住民が牛を洗っていたところ、カッパが架空の臓器である牛の「尻子玉」を引き抜こうとしたため縄で縛り、命を助ける代わりに証文を書かせたという話。カッパはお礼に魚を家に毎日届けたが、魚がたくさんかけられる鉄の鉤(かぎ)を設置したところ、鉄が苦手なカッパは来なくなったという結末で「強欲はしっぺ返しがくる」という教訓が含まれている。

 佐田区民約40人でつくる佐田伝統文化保存会は地元の民話を発信するため、美浜東小に灯籠用のイラスト制作を依頼。3~6年生の計61人が1人1枚ずつ描いた作品をナイロン製の障子紙にプリントし、竹の骨組みに貼り付けて灯籠を完成させた。

 イラストのカッパはキュウリを持っていたり踊っていたり個性豊か。19日は同会の会長らが美浜東小を訪れ、制作協力のお礼として別の灯籠16個を寄贈した。6年生の児童は「灯籠が置かれて盆踊りが盛り上がるのが楽しみ」と話していた。

 納涼盆踊りは8月13、14、17日に行われる。灯籠は沿道約150メートルの両脇に並べ、LEDライトを入れて光らせる。会長は「子どもたちにはカッパの民話について理解を深めてもらい、継承していってほしい」と期待していた。

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