2015年3月の北陸新幹線金沢開業に向け走行試験を行うW7系車両=14年8月5日、新潟県糸魚川市(鉄道建設・運輸施設整備支援機構提供)

 来年春の北陸新幹線金沢―敦賀間(約125キロ)の開業に向け、新幹線車両の走行試験が9月23日に始まる。建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が7月21日発表した。新幹線電気・軌道総合検測車「イーストアイ」や北陸新幹線車両「W7系」が12月9日までのうちの約40日間、1日1往復程度、金沢―敦賀間を走行する。福井県内を新幹線車両が初めて走り、開業に向けた機運が高まりそうだ。

 走行試験は実車両を使って軌道や架線、信号設備などに異常がないかを確認するのが目的。鉄道・運輸機構と営業主体のJR西日本が共同で行う。試験開始当初は時速30キロの低速で走行し、段階的に速度を上げ、最終的に金沢―敦賀間の最高設計速度の時速260キロで確認する。

 9月23日未明に白山総合車両所(石川県白山市)を出発し、金沢駅から敦賀駅まで走行する予定。イーストアイからW7系による試験に切り替わる日程は調整中という。2015年3月の金沢開業時には、14年8月1日にイーストアイによる試験が始まり、同5日からW7系による試験に移った。

 21日に開かれた国、沿線自治体、JR西が工事進捗(しんちょく)を共有する会議で、中村保博副知事は「(1973年の国による整備計画決定から)50年の期間を経て、初めて福井県に新幹線車両が入ってくる記念すべき日だ」と歓迎。9月23日の初入線に合わせて、地元自治体と連携した記念式典やイベントを開催し、県民とともに開業機運を盛り上げていきたいとした。

 会議の中で、中村副知事、石川県の徳田博副知事が金沢―敦賀間の開業日を早期に公表するよう要望。JR西の武市信彦・地域まちづくり本部交通まちづくり戦略部長は「現在、調整しており、準備が整い次第、発表する」と述べるにとどめた。

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