福井県敦賀市の気比神宮の秋の例大祭に向けた最初の神事「牛腸(ごちょう)祭」を説明する企画展が、市みなとつるが山車会館で開かれている。資料9点を展示し、山車巡行とともに受け継がれてきた牛腸祭の歴史を紹介している。30日まで。
同祭は例大祭が無事に行われることを祈る神事。市指定文化財で江戸時代の歴史書「気比宮社記」には、例大祭はまずはこの牛腸祭から始まる―と書かれている。戦前までは牛腸祭のくじで山車の巡行順を決め、現在は翌年の神事の担当区を決めるなどしている。
10基が参加し戦前最後となった山車巡行の順番が書かれた「山車順番通知状」や、祭礼が毎年滞りなく行われるように定められた「牛腸番組合規約」、気比宮社記の写真パネルなどを展示した。牛腸祭のくじは、皿に盛った米に差し込まれた紙を取って行われており、会場には道具のレプリカや神事の流れを紹介するパネルも並べた。
今年の牛腸祭は16日、4年ぶりに通常規模で営まれる。館長は「山車の巡行順に関する牛腸祭の資料などを見て、ここから祭りが始まるということを知ってほしい」と話していた。
入館料300円で、高校生以下は無料。毎週月曜日休館。18日は無料開館する。
(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)