福井県敦賀市中郷地区の区長でつくる「衣掛山(きぬかけやま)歩こう会」が進めてきた衣掛山(標高181メートル)の登山道整備が完了した。階段を設けたほか、源義経伝説や市街地が一望できる絶景スポットの案内板も同市堂の登山口に設置し、同会は「子どもから高齢者まで歴史ロマンを感じて登ってほしい」と話している。
メンバーは、15年ほど前から登山道の草刈りなどを行ってきた。幅広い年齢の人たちに山に親しんでもらおうと、昨年9月に同地区長会の12人で会を結成。市の「地域じまんづくり事業」の補助金を活用して整備した。
山の中腹から頂上付近にかけては、中日本高速道路が舞鶴若狭自動車道の工事の際に階段と手すりを設置していた。今回は、急斜面で滑りやすい麓から中腹まで約200メートルの登山道に階段を設けた。もともとは手すり用のロープがあっただけだったが、多くの人が登れるようになった。
登山道の案内板には、舞若道高架下で撮った写真を掲載し、山の中腹では敦賀湾や市街地を眺められると紹介。鎌倉時代に源頼朝に追われた源義経の一行が京都から奥州へ落ちのびる道中に休息した衣掛山で、義経が松の枝に着物を掛けたという、山の名前の由来も紹介している。
A4判クリアファイル3千部、パンフレット7千部を作製し、同市中郷公民館に置いた。
山頂まで45分ほどで登れ、北陸新幹線の敦賀駅や車両基地も眺められる手軽さが魅力。同会の会長は「JR敦賀駅などにもパンフレットを置き、敦賀の隠れた名所になることを期待している」と話した。
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