福井県若狭町熊川のお花見広場に整備されるキャンプ場の名称がこのほど、「山座(さんざ)熊川」に決まった。詳細な内容も公表され、ホテル仕様のベッドがある「キャビン(客室)」6棟と、車の乗り入れ可能な「オートキャンプサイト」12区画を設ける計画。熊川宿や湖面アクティビティを楽しめる河内川ダムが近く、北陸新幹線敦賀開業に向けた滞在型観光の拠点の一つとして期待される。9~11月プレオープン、来年4月にグランドオープン予定。
キャンプ場は、町が2020年度から整備してきた熊川トレイル沿線開発の重要拠点。これまでに、熊川城跡周辺の三つのデッキ、道の駅「若狭熊川宿」隣のゲートウェイとしてテラスや芝生広場、昨年秋にはアウトドア・アクティビティ施設「山座熊川OutdoorsBase(アウトドアズベース)」が完成した。
敷地面積は5万平方メートル。中央に芝生広場を設け、囲うように宿泊スペースや管理棟を配置する。キャビンは木造2階建てで延べ床面積約70平方メートル。吹き抜けのダイニングのおしゃれな空間で、大自然を楽しめるテラスもある。トイレ、キッチン、シャワーを完備し、1棟に5人宿泊できる。料金は調整中。
オートキャンプサイトは1区画約130平方メートル。ユニットハウスもあり、各区画で簡易的なキッチンやトイレ、シャワーが使用可能。大自然の中でも快適に過ごせる。1区画4人が目安。料金は調整中。また、受付を兼ねた管理棟は、物産販売やワークショップができるロビー、バーベキューテラスなどがある。
宿泊は最大78人、バーベキュー客など合わせると100人規模を受け入れられる。教育旅行をはじめ、周りの自然を生かし心身の健康増進を図る「ウェルネスツーリズム」として社員旅行もターゲットにする。町と熊川のまちづくり会社「クマツグ」が共同で約4億円かけて整備した。
今後運営していく同社の担当者は「熊川宿を後世に残すためには視野を広げないといけないと感じた。周りの自然を生かし、物見遊山だけでない多様な観光ニーズに応えたい」とした。
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