福井県小浜市飯盛(はんせい)の飯盛寺(はんじょうじ)で、ヒガンザクラが満開を迎えている。鮮やかなピンク色の花が時折風に揺れ、里山に彩りを添えている。境内にはさまざまな種類の桜があり、春の風情が4月下旬ごろまでリレーされる。
25年ほど前、杉本明慶住職(72)が譲り受けたヒガンザクラの苗木20本を境内のあちこちに植えた。シカの被害があったが寺務所前の広場と道路脇の計5本は順調に成長し、毎年彼岸の時期に見頃を迎える。
今年は1週間ほど前から咲き始め、気温の高い日が数日続いたことで一気に開花が進んだ。この時期に咲いている場所は少ないため桜目当てに訪れる人も多く、17日はスマホで熱心に写真を撮る夫婦らの姿が見られた。数日間は見頃が続く見込み。
同寺にはほかにも、ソメイヨシノ、しだれ桜、八重桜が植えられており、順番に見頃を迎える。杉本住職は「咲くと晴れやかな気持ちになる。濃い色から淡いピンクまでいろんな種類を長く楽しめてありがたい」と笑顔で話した。
ヒガンザクラの咲く広場では21日午前10時から柴燈(さいとう)護摩の法要が営まれ、開運や無病息災を願う火渡りが行われる。
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