若狭町沖で捕獲されたエビスザメ=11日、同町の県海浜自然センター

 優しくほほ笑んだえびす顔に見えるサメ、エビスザメが福井県若狭町世久見沖で見つかり、同町の県海浜自然センターで3月11日から展示されている。全国的にも捕獲例が極めて少ないことから、生態や分布域など未解明な部分が多く、水族館でも展示しているところはほとんどないという。

 エビスザメは原始的なサメと考えられ、えらの裂け目「鰓裂(さいれつ)」が一般的な5対ではなく7対あり、二つあることが多い背びれは一つしかないのが特徴。捕獲例が極めて少なく環境省の絶滅危惧種リスト(レッドリスト)でも「情報不足(DD)」に分類されている。

 屋外水槽で展示が始まった個体は体長約1・1メートル。9日に世久見の漁師が捕獲したものを譲り受けた。飼育例も少ないため、えさの捕食具合や水温上昇への対応など様子を見ながら当面展示する予定。同センター担当者は「優しい顔つきが魅力的。展示例がほとんどない希少なサメを見に来てほしい」と話している。毎週月曜休館。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)