「命のビザ」を発給した杉原千畝の足跡などの説明を高校生から受ける尾崎哲大使(左)=7日、敦賀市の資料館「人道の港敦賀ムゼウム」

 駐リトアニア日本国大使館の尾崎哲特命全権大使が3月7日、福井県敦賀市の資料館「人道の港敦賀ムゼウム」を視察した。「命のビザ」で多くのユダヤ難民が救われたというリトアニアにも縁が深い史実などを高校生ガイドから案内され、尾崎大使は「世代を超えて語り継いでいくという気迫に感動した」と語った。

 2021年10月に就任した尾崎大使は、帰国に合わせた関係自治体への視察の一環で同市を訪れた。ムゼウムでは、第2次世界大戦中、駐リトアニア領事代理だった杉原千畝が、ナチスドイツの迫害から逃れてきたユダヤ難民たちに独断でビザを発給した史実などを紹介しており、敦賀高創生部員がガイドを務めた。

 尾崎大使は「杉原千畝についてはよく分かっていたが、知らない人の名前も出てきて杉原さんだけではなしえなかったことにかなり理解が深まった」。高校生ガイドの解説に感動しきりで「ムゼウムを説明することをきっかけに、日本の歴史を正面からとらえたり、自由の意味を考えたりして、大きく世界に羽ばたいてほしい」とエールを送った。視察前には渕上隆信市長を表敬訪問した。

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