敦賀まつりで市街地を巡行する山車(やま)の武者人形に飾り付けられる甲冑(かっちゅう)の調査が2月28日~3月3日、福井県敦賀市みなとつるが山車会館で行われた。専門家は「江戸時代後半に作られたものが多く、華やかな仕立てになっている傾向がある」と話した。
北陸新幹線敦賀開業に向けた魅力向上事業の一環で、甲冑の文化財的価値を明らかにし、展示の内容充実や山車のPRに活用する狙い。東京国立博物館で学芸員として甲冑の調査や展示に携わった同館名誉館員の池田宏さんを招き、現在は使われていないものも含む甲冑26領、かぶと4点の調査を昨年5月から進めてきた。
2日は最後の2領の調査を行った。池田さんは採寸したり構造や材質、装飾を調べたりし、ノートにメモしていった。さいたま市の自宅で調書をまとめ、山車会館に提供する。池田さんは「山車で使われるため、金色や赤、緑などの華やかな色が使われている」と話した。PRや展示、記録のための写真撮影も行われた。
3日は写真撮影と、池田さんによる同館学芸員への展示指導があった。学芸員は「調書を活用し、市民や来館者に甲冑について分かりやすく伝えていきたい」と話した。
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