福井県敦賀市西部の大規模な農地整備に伴い、昨年12月から造成が進められているビオトープ(同市沓見)で3月1日、地域住民が作業に参加した。土留め柵や遊歩道用のコンクリート板を設置。3月中に完成する。
県は同市沓見、金山、莇生野の敦賀西部地区で2018年度から25年度まで経営体育成基盤整備事業(ほ場)として農地の大区画化や用排水路の整備などに取り組んでいる。3区の住民でつくり、農道や水路のり面の保全整備に取り組む一般社団法人「旗護の郷ネットワーク」の7人が参加した。
ビオトープは縦約10メートル、横約5メートル、水深約20センチの池が二つあり、細い水路でつながっている。土留め柵はくいに板をくぎで固定して取り付けていった。渓流から水を引き入れ、コンクリート板は池の周りに約30枚を並べた。残り約70枚を設置して完成となり、同法人が維持管理を担う。
ビオトープは周りに山や田んぼがあり、昆虫や鳥などが多く集まってくる可能性があるという。農地整備の一環で行った環境調査で見つかった、県域絶滅危惧Ⅱ類のシソクサや県域準絶滅危惧のアブノメなどの植物も移植していく。誰でも入ることができ、同法人の川端昭弘代表理事は「子どもから大人までに愛される憩いの場にしていきたい」と話していた。
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