若狭ふぐの発送作業に追われる関係者=22日、小浜市阿納の「かわはら旅館」

 福井県若狭地方を代表する冬の味覚「若狭ふぐ」の宅配セットの注文が県内外から相次ぎ、小浜市阿納の民宿は発送作業に追われている。関係者は「今季も身がしっかりと引き締まっていて味もばっちり」と話し、てっさ(薄造り)やてっちり(鍋)を気軽に味わってと呼びかけている。

 宅配は、若狭ふぐの消費拡大につなげようと阿納区の民宿でつくる阿納ふぐ組合が1989年に始めた。現在は、民宿4軒が区内の養殖いけすで約3万匹のフグを飼育し嶺北や関西圏などを中心に発送している。

 発送の前日に養殖いけすからフグを水揚げし、さばいて冷蔵庫で一晩寝かせる。水分が抜けたフグを厚さ1ミリほどに切り分け、皿に花のように盛り付けていく。1セットあたり10分ほどで仕上げるという。

 若狭湾の低水温で育ったフグは身の締まりが良く、歯ごたえのある食感やほんのりとした甘みが特徴。大きさは1キロ超えが多かった昨季よりもやや小さいものの、味は抜群という。同組合の組合長は「青魚とはまた違った脂身があり、焼いたり鍋に入れてもおいしい。家庭で手軽に食べてみて」とPRしている。

 発送は4月上旬まで。宅配セットは6種類あり、てっさ、骨付き身、ふぐ皮、あら、ひれ、薬味などが詰められる。

 送料込みで1セット1万500円から。問い合わせは同組合=電話0770(54)3555。

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