• 近現代美術を代表する作家の絵画が並ぶ企画展「ジャクエツコレクション きらめく名品の美」=24日、敦賀市立博物館
  • 松尾芭蕉が敦賀で詠んだ「月きよし」の短冊
近現代美術を代表する作家の絵画が並ぶ企画展「ジャクエツコレクション きらめく名品の美」=24日、敦賀市立博物館

 幼児用教材、遊具製造販売のジャクエツ(福井県敦賀市若葉町2丁目)の徳本道輝名誉会長が収集した一大美術コレクションを紹介する企画展「ジャクエツコレクション きらめく名品の美」が2月25日、同市立博物館で始まった。徳本氏の審美眼で集められた近現代美術を代表する作品の数々が並べられる。

 同コレクションは徳本名誉会長が40年以上かけて収集したもの。同市には2000年7月、「文化都市としての発展に少しでも役立てば」と横山大観や東山魁夷ら著名な画家の日本画、洋画計30点が寄贈された。市内で公開される機会は少なかったが、前・後期で展示品を入れ替え県立美術館や個人が所蔵する同コレクションを含めた計33点を展示する。

 小野竹喬の「朝」(1970年代後半)は朝日を浴びたあかね色の雲と、しなやかに若葉色の枝を伸ばす木が描かれている。横山大観「聳雲表(しょううんぴょう)」(55年)は雲海に浮かぶ残雪の富士山山頂の神々しい姿が目を引く。

 江戸時代の俳聖、松尾芭蕉が同市を訪れた際に詠んだ「月きよし」の短冊は「月きよし遊行のもてる砂の露」とあり、「おくのほそ道」収録の句は結句が「砂の上」で定稿前の作品とみられる。

 学芸員は「嶺南の地で見てもらうまたとない機会。ジャクエツコレクションの『きらめき』を多くの人に堪能してもらいたい」と話している。

 前期は4月2日まで。後期は4月4日~5月7日まで。入館料は一般300円、高校生以下無料。毎週月曜と3月22日が休館。同21日は開館する。

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