小銭を拾い集める子どもたち=11日、若狭町大鳥羽

 約100年前から続くとされる伝統行事「ヤレチョボ」が2月11日、若狭町大鳥羽の石桉比古比売(いわくらひこひめ)神社で行われた。勢いよくまかれた小銭を子どもたちが競うように拾い集め、五穀豊穣(ほうじょう)を祈ったり厄払いしたりした。

 毎年2月11日に、厄払い神事と合わせて実施。大鳥羽史によると、かつて同区は養蚕が盛んだったため繭の形をした餅をまく風習があったが、時を経て小銭に代わったという。語源はよく分かっていない。

 拝殿に地元の子どもたち約20人が集合。「ヤーレヨボ、ちょっときて、銭まけ、もっとまけ」と叫ぶと、大人たちが1~500円の硬貨を拝殿の天井目掛けて放り投げた。子どもたちは降り注ぐ小銭をキャッチしたり、落ちたものを拾い集めたりしていた。

 1人当たり約2千円分、厄年の人は多めに約5千円分まくという。全国的にも珍しい奇習は、10分ほどで終わった。

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