農作業の省力化へ収穫に適したミニトマトをAI(人工知能)が選別し、自動で収穫するロボットの実証実験が2月7日、高浜町安土の農業用ハウスで行われた。ロボットはハウス内を移動しながら画像で成熟度を自動判別、赤い実をつけた房を選びながら収穫していった。実施した県園芸研究センターなどでは、今後さらに改良を重ね実用化を目指す。
プロジェクトはスマート農業に取り組む同センターが、福井和郷(本社高浜町)、千葉大、パナソニックなど6団体・企業で昨年度から取り組んでいる。これまでにロボットによる房取りに適した品種の選定や実割れを防ぐ栽培技術の実証を行ってきた。
パナソニックが開発したロボットは、ミニトマトの位置や色、房の向きなどをカメラ画像で認識し、収穫に適しているかAIが判断する。アームで房を切り取ることで人が触れずに収穫できる衛生面のメリットもある。
実験には、プロジェクト関係者や県立大生物資源学部創造農学科の学生ら約30人が参加。ロボットはハウス内に敷かれたレールをゆっくり移動、狙いを定めたトマトにアームを伸ばし房ごと収穫していった。30分ほどで23房を収穫し、まれに完熟していない房が交じったほか、アームでうまく切り取れないこともあり、実用化に向けた課題を再確認していた。
同センターの研究員は「収穫ロボットを活用することで、農業の省力化や清潔な果実の販売といった付加価値の強化につながってほしい」と話していた。
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