珪石を運ぶ引き込み線があったことなど、小浜線と美浜の歩みを紹介する巡回展=1日、同町佐柿の若狭国吉城歴史資料館

 昨年全線開業から100周年を迎えた小浜線と美浜の歴史を紹介する巡回展が、福井県美浜町佐柿の若狭国吉城歴史資料館で開かれている。かつて美浜で産出された鉱物「珪石(けいせき)」の流通を小浜線が支えていた歴史など、パネル6枚でひもといている。14日まで。

 節目を迎えた地域鉄道により親しんでもらおうと、町歴史文化館が企画した。小浜線と美浜に関する年表のほか、町内に残る古写真などを用い、「小浜線と蒸気機関車」など5テーマに分けて紹介している。

 耐火れんがの原料となる珪石は、同町の御岳山(標高548メートル)で昭和時代の約60年間採掘された。最盛期には年間約2万5千トンを産出したという。今回は、1938年から80年まで、現在の東美浜駅付近にあった引き込み線路の古写真を展示。山腹の採掘場から下ろされた珪石を直接貨車に積み込み、日本各地に送り出したとの解説もある。

 このほか、現在は見ることができない「機織(はたおり)池」(坂尻)の横を走る蒸気機関車や、町内で44年ぶりに新設された61年開業当時の東美浜駅の様子なども紹介している。

 巡回展は3月30日まで。今後、町南西郷公民館、町エネルギー環境教育体験館きいぱすなど町内の6カ所を回る。

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