• 山内かぶらを使った料理を披露する女将ら=26日、小浜市白鬚のホテルせくみ屋
  • 山内かぶらを煮込んだりムース状にしたり、一工夫を加えて仕上げられた料理
山内かぶらを使った料理を披露する女将ら=26日、小浜市白鬚のホテルせくみ屋

 福井県嶺南の旅館などの女将(おかみ)らでつくる「若狭路女将の会わかさ会」は、若狭町山内の伝統野菜「山内かぶら」を使った料理を考案し1月26日、小浜市白鬚のホテルせくみ屋で発表した。メンバーの5旅館・ホテルが風味や食感を生かしたすしや煮込み料理、洋風のアレンジメニュー7種類を披露。各旅館はそれぞれが考案した1~2品を2月から提供する予定。同会の女将は「地元の食材を楽しんでもらい、嶺南のPRにつなげたい」と張り切っている。

 山内かぶらは明治時代からの歴史があるとされ、国が地域の農林水産物などをブランドとして保護する「地理的表示保護制度(GI)」に登録されている。味や香りが濃く、煮崩れしにくいのが特徴。現在は、地元有志12人が会員の「山内かぶらちゃんの会」が栽培している。

 同会とわかさ会は、農村の食文化や特産品の歴史などを観光客に魅力的に紹介する「農遊コンシェルジュ」として県に認定されたことをきっかけにつながり、昨年11月から本格的なメニューづくりに取り組んだ。

 わかさ会から会員5旅館・ホテル、オーベルジュ(宿泊施設付きレストラン)が参加し、各1~2品ずつ考案した。この日は関係者約20人が集まりお披露目と試食が行われた。

 せくみ屋は、山内かぶらを煮込んでつぶし、ホワイトソースと合わせ滑らかなムースに仕上げた。四季彩の宿花椿(小浜市)は、ぱりっとした食感を楽しめるかぶらの千枚漬けと小浜よっぱらいサバ、ふくいサーモンのにぎりずしを披露。家庭でまねできるようにと、素朴な味わいの鶏そぼろのあんかけも考案した。

 別邸たち太(高浜町)の鯛(たい)かぶらは、タイのうまみが染みこんだ逸品。あたらしや旅館(敦賀市)は一夜漬けとシーチキン入りサラダ、蓬莱客館あみや(同)はタラとかぶらの鍋を提供する。

 山内かぶらちゃんの会代表の飛永さんは「地域の料理専門の方に新しい食べ方を考えて発信してもらい、夢のようにうれしい」と頬を緩めた。わかさの会の藤原秀美会長は来年春の北陸新幹線敦賀開業に触れ「すばらしい食材があると知ってもらい、若狭一帯で観光アピールに力を入れたい」と話した。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)