• 西福寺の修復事業を応援する「なむなむ募金箱」=敦賀市原
  • カプセルに入れられている修復応援ストラップと西福寺カード
西福寺の修復事業を応援する「なむなむ募金箱」=敦賀市原

 国の重要文化財「御影(みえい)堂」など総額28億円と試算される修復事業に取り組む福井県敦賀市原の古刹(こさつ)、西福寺を応援しようと、同寺にカプセル玩具の販売機「ガチャガチャ」を使った募金箱がお目見えした。1回500円の寄付で、「修復応援ストラップ」と「西福寺文化財修復事業奉賛会情報カード」が入ったカプセルがもらえる。考案者は「西福寺を身近に感じ、修復事業を応援するきっかけになればうれしい」と話している。

 考案したのは市内の西村さん。「修復応援ストラップ」は西福寺の「十五弁の三つ葉葵(あおい)の紋」や鉛筆画風の御影堂が印画された6種類を用意。情報カードはQRコードを読み取ると修復事業や寄付について紹介するホームページにつながり、表面は二橋信玄住職が筆を執った「南無阿弥陀仏」など2種類ある。「ガチャガチャ」は昨年11月に同寺の受付近くに設置した。「なむなむ募金箱」と名付けられ、材料費以外はすべて修復事業への寄付金とする。

 西村さんは同寺のホームページ(HP)をはじめ、奉賛会のHPとインスタグラムをボランティアで運営し、寺の魅力や修復事業の発信に努めてきた。「なむなむ募金箱」について西村さんは「ストラップを持ち歩くことで西福寺を身近に感じ、親しみを持ってほしい」と話す。さらには「修復を行っていることが多くの人に拡散されたらうれしい」と願っている。

 「令和の大修復」ともいわれる事業は、「御影堂」や同じく重文「庫裏」、市指定文化財の「玄関」などが対象。2036年度まで15年かけて行われる。国や県、市の補助を受けても数億円にも及ぶ寺の負担を減らすため、奉賛会では企業訪問などにより浄財を募っている。

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