• 男衆による迫力たっぷりの田植え踊り=29日、敦賀市野坂の野坂公民館
  • 田打ち踊りに挑戦する子どもたち
  • 「素襖」の着付けをしてもらう子どもたち
  • 男衆による迫力たっぷりの田植え踊り
  • 田打ち踊りに挑戦する子どもたち
  • 苗を表す杉の葉
  • くわの代わりの木の棒
男衆による迫力たっぷりの田植え踊り=29日、敦賀市野坂の野坂公民館

 福井県指定無形民俗文化財の「野坂だのせ祭り」が1月29日、敦賀市野坂で営まれた。新型コロナウイルスの影響で神事のみ執り行い、農作業の安全と豊作を祈願する「だのせ踊り」の奉納は3年連続でなかったが、伝統継承のために練習会が開かれた。地元の男衆と児童計約30人が汗をかきながら真剣に踊った。

 同祭りは室町時代から野坂区で受け継がれているとされる。練習会は区民でつくる保存会が企画。27、29日に野坂公民館で行った。

 29日は奉納と同様に「素襖(すおう)」と呼ばれる紺色の伝統的な衣装をまとい、大人と子どもに分かれ、6人1組で交互に踊った。

 田を耕す様子を演じる「田打ち踊り」では、踊り手が田んぼに見立てた太鼓を囲み、「だーのせーのせーのやー」という掛け声を発しながら、くわの代わりに木の棒で何度も太鼓をたたいた。「福の種」とされる米粒をまく福男も登場した。

 「田植え踊り」は、苗を表す杉の葉を両手に持ち、太鼓の周りで背中合わせに押し合ったり、足を跳ね上げたり、前に跳んだりする動きを息を切らしながら繰り返した。田をならす道具を持った「えぶりさし」、農作業の合間の軽食を運ぶ女性役も花を添えた。

 踊り終えると、子どもも大人もすがすがしい表情に。田植え踊りに参加した斎藤陽向君(粟野小6年)「田打ちはしたことがあったが、田植えは初めてだった。動きが激しくて難しかった」と汗をぬぐった。保存会の小串喜久雄会長は「子どもたちはほとんどが初めてだったが大変上手だった。来年以降も踊ってもらえれば」と喜んでいた。

 
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