福井県おおい町石山にある築230年の古民家をリノベーションした複合施設「hibi(ひび)」が完成し1月18日オープンした。昔ながらの雰囲気はそのままに、地元食材を使ったデザートを提供するカフェ、ハンドメード作品などを並べた物販スペース、サロンやスタジオを整備。4月下旬にはレストランが開業予定で、地域のにぎわい創出に期待が高まる。
古民家は、石山城主・武藤氏の家老の家屋で、江戸時代の天明年間(1781~89年)の建築とされる。30年ほど空き家状態となっており、所有者から解体を依頼された建築業岸崎圭薫(よしゆき)さんが活用策を模索。合同会社を立ち上げ、古民家の移築・改修を計画してきた。
hibiは、木造2階建て、延べ床面積は約300平方メートル。建物はいったん解体し、元あった場所から100メートル離れた場所に移築した。柱や梁(はり)、礎石といった内装はそのまま使い、昔ながらの雰囲気を残している。
1階のテイクアウト専門カフェでは、町産のイチゴやシイタケ、美浜町のシカ肉など嶺南地域の食材を使ったパイやコーヒーを提供している。若狭塗箸や漆器、ハンドメード作品などを展示・販売する物販スペースもある。準備中のレストランでは地元食材をコース料理で提供する。
2階には、女性限定のヨモギ蒸しサロン、ワークショップやレッスンに利用できるスタジオを整備した。
岸崎さんは「町内で空き家を活用したモデルケースとして、多くの人に愛される場所になれば」と話している。
営業時間は午前11時~午後4時。水・木曜休館。問い合わせは岸崎さん=電話090(7091)1058。
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