節分を前に、製造がピークを迎えている豆らくがん=20日、敦賀市相生町の紅屋

 節分を前に、福井県敦賀市内の菓子店で伝統菓子「豆らくがん」の製造が最盛期を迎えている。敦賀を代表するお多福の形をした縁起物の菓子。同市相生町の老舗「紅屋」では1月20日、香ばしいにおいが漂う中、職人らが作業に追われていた。

 同店によると、江戸末期に江戸でらくがんの製法を学んだ人が敦賀に帰郷して作り始めたと伝わる。大豆とお多福の組み合わせは気比神宮の節分祭にちなんでいるといい、香ばしい風味と素朴な甘みが特徴。現在、市内の複数の菓子店などで製造している。

 需要が最も高まるのは節分前で、紅屋では1月下旬から2月中旬にかけて約6千個を作る予定。粗びきした国産大豆と砂糖を混ぜた生地を手作業で型に押して成形し、乾燥した後に焼き上げる。この日は職人らが大量の豆らくがんの成形や乾燥に精を出した。

 店主の田結さんによると、昨年末から配合や焼き方を変えてよりおいしく仕上がるようにしたという。すでに予約注文が増え始めていて、田結さんは「食べた人が健康で幸せになるように願いながら丹精込めて作っている。敦賀の名産を多くの人に味わってほしい」と話した。

 紅屋は水曜定休。6個入りで1296円(税込み)。問い合わせは紅屋=電話0770(22)0361。

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