明鏡洞をバックに記念写真に納まる自転車を楽しむ会の参加者ら=昨年12月11日、高浜町事代

 国の「ナショナルサイクルルート」指定に向け、整備が進められている福井県嶺南6市町を結ぶ自転車道「若狭湾サイクリングルート(愛称・わかさいくる)」。同ルート推進協議会は「住民や事業者がサイクリストを温かく迎え入れる態勢を整えることが重要」とし、ワークショップ(WS)やセミナーを積極的に開催し地元の機運醸成を図っている。

 ■全国で6ルート

 JR敦賀駅から若狭高浜駅を結ぶ全長126キロのわかさいくるのテーマは「敦賀若狭の海湖(うみ)を楽しむ!!」。若狭湾や三方五湖の大自然を満喫できるほか、気比神宮(敦賀市)や明鏡洞(高浜町)などの観光地も巡る。

 推進協議会は一昨年6月に発足し、県や嶺南6市町、観光・商工団体などで構成。国の第2次自転車活用推進計画期間(2025年度まで)内の指定を目指している。

 ナショナルサイクルルートは現在、しまなみ海道サイクリングロード(広島県~愛媛県)やビワイチ(滋賀県)、トカプチ400(北海道)など6ルートが選ばれている。指定要件には▽サイクルツーリズムの推進に資する魅力的で安全なルートである▽誰もが安全・快適に走行できる環境を備えている▽多様な交通手段に対応したゲートウエーが整備されている▽誰もがどこでも容易に情報が得られる環境を備えている―などがある。

 ■地元盛り上げへ

 「わかさいくるはきれいな風景やおいしい食べ物、歴史や自然が自転車を通じてもっとよく感じられる。世界に誇れるサイクリングルートだと地元の方に気付いてほしい」。昨年11月に同市松原公民館で開かれた地域住民らを対象にしたセミナー。講師を務めた推進協議会アドバイザーで、ナショナルサイクルルート選考委員の高橋幸博さんは強く訴えた。

 推進協議会の担当者も「地元の人が盛り上がることで嶺南の活性化につながる」と力を込める。本年度は事業者向けのWSを4回実施。セミナーは12月に高浜町高浜公民館でも開いた。情報発信強化のため、わかさいくる公式の各種交流サイト(SNS)も6月に開設した。

 自転車で観光する魅力を味わってもらおうと、12月には一般社団法人WAKASABAY PRIMEに委託して同町で自転車を楽しむ会を開いた。普段自転車にあまり乗らない参加者もサイクリングを満喫していたという。本年度中に他の市町でも開く予定で、担当者は「多くの人に自転車に関心を持ってもらい、嶺南でのサイクルツーリズムが定着するようにしていきたい」と力を込める。

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