福井県小浜市飯盛の法海(のりかい)区で1月6日、伝統行事「六日講」が行われた。住民が竜に見立てた「勧請綱(かんじょうづな)」を作り、集落の入り口に掲げて区内安全や住民の健康を祈願した。
六日講は数百年の歴史があるとされ、20日に近くの荒木区で行われる「二十日講」とともに、市無形民俗文化財に指定されている。
この日は法海集落センターに男衆15人ほどが集まり作業した。太い稲わらの束を三つに分け、3人がかりで「せーの、よいしょ」とかけ声を上げて強くねじり合わせていき、長さ約12メートルの大綱を約1時間ほどで仕上げた。竜の頭部に当たる片方の端には、稲わらを編んで作った角や舌を付け、近くの飯盛寺の住職が祈りをささげた後、集落の入り口まで運び出した。
数人がやぐらやはしごに上り、頭部を今年の恵方の南南東の方角に向け、道路をまたぐ形で2本の柱の間に掲げた。中央には「七難即滅 七福即生」などと書かれた勧請板をぶら下げ、うろこに見立てたツタ、毘沙門天など十二天が足をかけるための「あぶみ」も取り付けて完成させた。
勧請綱は区内で不幸があると切り落とされる決まりで、何事もなければ雨風で自然に落ちることもあるという。区長は「区のみんなが幸せで穏やかな一年になってほしい」と願いを込めた。
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