サバを三つに切り、「大漁」と大声を上げる児童=1日、美浜町日向の稲荷神社

 福井県美浜町日向の正月行事「板の魚(うお)の儀」が1月1日、同区の稲荷神社で行われた。地元の児童が堂々とした立ち振る舞いで、サバを三つに切り分け、1年の大漁を祈願した。

 江戸時代から300年余り続く神事で、船上で刺し身などを振る舞う様子を表現しているとされる。境内の建物「長床(ながとこ)」には男衆ら約40人が集まった。

 サバを切り分ける「若い衆」は、ともに美浜西小5年の児童2人が務めた。かみしも姿の2人は、両手を真横にまっすぐ伸ばし、ひざを高く上げる独特の所作で上座へ歩を進め、お神酒などを振る舞った。

 男衆から「さあ、若い衆、さあ、若い衆、さあ、若い衆」と声をかけられると、今年の恵方の南南東を向いてサバに包丁を入れていった。三つに切り分け「大漁、大漁、大漁」と大声を上げると、会場からは拍手がわき上がっていた。

 大役を終えた2人は「練習が生かせた」「今年も大漁になることを願いながら儀式をした」と話していた。
 

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