福井県小浜市の名産品「若狭小浜小鯛ささ漬」の販売促進につなげようと、若狭高海洋科学科2年生2人が中心となり考案した新パッケージが12月21日、同市役所でお披露目された。黒地に金色を使い高級感を残しつつ、若い世代や初見の人にも手にとってもらえるよう目を引くデザインに仕上げた。小浜ささ漬協会に加盟する市内11事業者を対象に、2~3月ごろから使用される予定。
小鯛ささ漬は新型コロナウイルス禍で土産品の需要が低下したこともあり、近年売り上げが減少。2024年春の北陸新幹線敦賀開業に向け売り上げ回復を図りたい同協会の依頼を受けた同校の小林さん、清水さんが、5月から新パッケージの考案に取り組んだ。
同協会などと話し合いながら候補を絞り、同校や県内で開かれた食のイベントでアンケートを実施。集めた意見を参考に、色味や文字のフォントなどを微調整し12月に完成させた。
新デザインは黒地に大きくタイを描き、金色の文字で「刺身を超えるおいしさ!?」と2人で考えたキャッチコピーを添えた。既存の商品はスギのたる入りのものが代表的だが、初見の人も手に取りやすいよう、丸形のスギ材の上に小鯛ささ漬を並べ、中身が見えるパッケージにした。広告などに使う販促用として、色違いの白地のデザインもある。
若い世代には小鯛ささ漬を知らない人が増えており、2人は「高級感はありつつ、目に留まるポップさも考えた」と試行錯誤を説明。「刺し身にはないおいしさがあることをもっと知ってもらいたい」と力を込めた。同協会の田村仁志理事長(田村長社長)は「斬新なデザインで、新しいお客さまにアピールできると思う。起爆剤になれば」と期待を寄せている。
80グラムで千円程度の価格を想定しており、県外の物産展や通販でも扱う予定。
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