福井県小浜市の県立若狭歴史博物館で、テーマ展「ちょっとむかしのくらし展~ワラをめぐる若狭の生活誌」が開かれている。農閑期の副業として嶺南地域で盛んだったわらの加工品生産について取り上げ、資料約60点を展示している。来年3月12日まで。
わらを使った日用品作りは、化学繊維などが台頭する昭和中期まで全国的に行われた。県内では稲わらを使い、江戸時代から敷物や包装に使うむしろや縄などが盛んに生産され、北前船によって北海道や関西で販売した歴史があり、農家の大きな収入源だった。
展示では、昭和期に嶺南で実際に使われたむしろやわらじのほか、加工しやすいようわらをたたいて柔らかくする機械などが並ぶ。販売のためむしろを船に積んだことを示す明治時代の証明書や、わら加工品の質向上へ戦後、県などが発行したパンフレットもあり、当時の生活との結びつきの強さが分かる。
午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。会期中、第2・第4月曜(祝日の場合翌日)と29日~1月2日は休館。観覧料は一般310円、高校生以下・70歳以上無料。1~3月に関連イベントとしてワークショップなどを予定している。問い合わせは同館=電話0770(56)0525。
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