• 根元がぐっと曲がっているのが特徴の谷田部ねぎ=1日、小浜市谷田部
  • 谷田部ねぎは焼くと甘みが増す。ごまドレッシングなどをかけると子どもも食べやすい=1日、小浜市谷田部
根元がぐっと曲がっているのが特徴の谷田部ねぎ=1日、小浜市谷田部

 福井県小浜市谷田部の伝統野菜「谷田部ねぎ」の収穫が最盛期を迎えている。白色の根元部分が釣り針状に曲がっているのが特徴で、今季も出来栄えは上々。生産者は「焼くとさらに甘みが増して食べやすいので、幅広い世代に味わってほしい」とアピールしている。

 谷田部で明治初期から栽培されていたとされ、現在は地元の十数人でつくる「谷田部ねぎ生産組合」が計約1・2ヘクタールの畑で育てている。9月に種まきし、2度植え替えながら1年以上かけて育てる。2度目に斜めに植えることで、土に埋まっていない部分が空に向かって伸びるため白い根の部分が大きく曲がり、甘みが強まるのが特徴。

 長さ75センチ、うち白色の部分が15センチほどが出荷の目安。組合長によると、昨冬の大雪で苗が影響を受けた分、出荷量は例年より2割ほど減りそうだが、適度な降雨量があり生育は順調という。

 谷田部ねぎは、農林水産省の地理的標示保護制度(GI)に登録されていたが、生産者の高齢化が進み、登録した生産工程管理の維持が困難になったことから8月に取り下げた。組合長の妻は「ずっとこの地で続いてきた味なので、なんとか生産を守りたい」と話す。「火を入れると甘みが増して食べやすい。オリーブオイルで焼いてドレッシングをかけたり、お好み焼きにどさっと入れるのが手軽でおすすめ。若い人や子どもにも食べて知ってもらいたい」と魅力発信に余念がない。

 出荷は来年3月ごろまで続く。市内スーパーや飲食店などに、約2トンの出荷を見込んでいる。

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