食品ロスの削減につなげようと、福井県小浜市総合卸売市場が規格外の野菜や、賞味期限が迫った食材を格安で販売するプロジェクトを進めている。市場で一般消費者向けの販売イベントを月2回程度開き、市場の活性化だけでなく地域住民にも食品ロス問題を考えてもらうのが狙い。来年度からの本格開始を目指す。
食品ロスは、野菜や果物の形や大きさがふぞろい、賞味期限が近いといった理由で廃棄されて生じる。市総合卸売市場では1日当たり5~10キロほどが捨てられ、卸売業者が食材としての活用策を模索していた。
販売イベントでは、ホウレンソウやサツマイモ、ミカンなど多様な品目をそろえ、定価の5~9割引きでの販売や詰め放題などを検討している。年度内に数回試験販売し、取り扱う品目の種類や数、来客数などを調査した上で本格販売に移行する。実現すれば嶺南地域では敦賀市公設地方卸売市場に続き2例目となる。
26日には初回の試験販売が行われ、地元住民や観光客約300人が訪れ、段ボールやコンテナに詰められた約50品目の野菜や果物を品定めしていた。家族で訪れた井上さんは「賞味期限が近くてもすぐに使う食材なのでお買い得。廃棄食材はあまり販売していないので、今後も続けてほしい」と話していた。
小浜市総合卸売市場の市場長は「今後は地域住民にさらに利用してもらえるよう広報など工夫が必要。フードロスの削減に向けた取り組みを進めていきたい」としている。
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