いけすから次々と水揚げされる敦賀ふぐ=28日、敦賀市手の浦底漁港

 福井県内最大の養殖トラフグ産地、敦賀市西浦地区で「敦賀ふぐ」の出荷が本格化している。28日は地元漁師らが丸々と育った約1500匹の水揚げ作業に追われた。関西方面を中心に来年3月ごろまで出荷が続く。

 同地区では1980年代後半から養殖しており、現在は市海水養魚協会に加盟する8軒が育てている。トラフグ養殖地域としては最北端で、日本海の低水温でゆっくりと育つことで身が締まり、味が凝縮されるのが特長とされる。

 この日は、同市手の浦底漁港で漁師ら10人が沖合から岸壁まで船で移動させてきたいけすから1キロ前後に育ったフグを網ですくい、計量してトラックに積んでいった。晩秋の青空の下、フグは計量用のかごの中で元気いっぱいにぴちぴちと飛び跳ねていた。

 主に兵庫県などに運んだという。漁師たちは「ぷりぷりした歯応えで身も皮も絶品」「やや小ぶりだけど味は抜群。唐揚げがいち押し。旅行支援を活用したりして敦賀に食べに来てほしい」などと話していた。

 同協会によると、最終的には来年3月までに4~5万匹の出荷を見込んでいるという。敦賀ふぐを食べられる店や旅館、民宿は敦賀観光協会のホームページなどに記載されている。

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