• 今年3月に急逝した敦賀市ゆかりの漆芸家、浅賀貴宏さん=2024年11月
  • 浅賀さんの追悼展のチラシ
今年3月に急逝した敦賀市ゆかりの漆芸家、浅賀貴宏さん=2024年11月

 今年3月に42歳の若さで急逝した漆芸家、浅賀貴宏さん(敦賀市)の追悼展が10月15~18日、市プラザ萬象で開かれる。全国規模の公募展で受賞を重ね、2021年には日本煎茶工芸展で最高賞の文部科学大臣賞に輝くなど、将来を嘱望されていた。敦賀市文化協会の伊藤会長は「彼が残した素晴らしい仕事と功績を多くの人に知ってほしい」と来場を呼びかけている。

 浅賀さんは1983年、新潟県生まれ。敦賀短大日本史学科で勉強する中で漆の美しい艶に魅了され、石川県立輪島漆芸技術研修所で学んだ。その後、敦賀市内の企業に勤める傍ら若葉町に工房を構え、会社員と漆芸家という「二足のわらじ」で創作に打ち込んだ。

 漆器などの漆工芸が専門だが、人間国宝の木工芸家、川北良造さんや村山明さんをはじめ、第一線の工芸家から指導を受けた。木を加工して形を生み出すところから漆塗りまで幅広い技を身につけ、全国各地へ足を運んで研さんを重ねた。

 技術だけでなく人柄も多くの人を引きつけた。伊藤会長は「謙虚で人を大切にする温かい人だった」と振り返る。師や先輩を敬い、受賞や作品制作の節目には恩師らへの報告を欠かさなかったという。工芸界の重鎮から厚い信頼を寄せられ、敦賀では浅賀さんの活動を支える有志グループ「緑山会」が昨年結成された。

 伊藤会長は「このまま精進していけば将来、人間国宝になれるだけの下地を持っていたと思う」と才能を惜しむ。敦賀では工芸分野の作家や指導者が少なく、「敦賀の文化界にとっても計り知れない大きな損失で、あまりにも早い旅立ちが残念でならない」と語る。

 追悼展は市文化協会の構成団体で、浅賀さんが代表を務めていた敦賀工藝鹿鳴会が主催。直径約40センチの大鉢をはじめ、盛器やお盆など約15点を並べ、パネル展示で人間国宝らとの交流も紹介する。伊藤会長は「実物を間近で見れば彼が作品に込めた情熱や迫力を感じてもらえるはず」と語り、志半ばで途絶えた浅賀さんの歩みを多くの人に感じ取ってほしいとしている。

 追悼展は午前9時~午後5時(最終日は同4時まで)。

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