• 制作に取り組む作家たち。作家の個性も作品も多様で、空間に表現が響き合う=9月26日、若狭町の熊川宿若狭美術館
  • 熊川宿に着想した風景を描く岩尾さん=熊川宿若狭美術館
  • フランスの2人は「瞽女」の世界観を自らのパフォーマンスに落とし込んでいく=熊川宿の古民家「田辺邸」
  • 来場者(右)と話す小宮さん。間近に制作過程が見られ、作家と言葉を交わすことができる機会は貴重だ=熊川宿の体験交流施設「与七」
制作に取り組む作家たち。作家の個性も作品も多様で、空間に表現が響き合う=9月26日、若狭町の熊川宿若狭美術館

 多彩なアーティストが若狭の地に滞在し、その風土や人々に接しながら制作する第4回熊川宿若狭芸術祭のアートプロジェクト「臨場 VOL.4」の作品展示が10月2日、若狭町の熊川宿若狭美術館などで始まった。さまざまな背景を持つ作家たちの表現は絵画造形、インスタレーション、パフォーマンスと多様で「臨場と共生」を体現した空間が人々を迎える。

 同美術館には5組6人が作品を並べる。岩尾恵都子さんは、熊川宿の蔵と山並みをモチーフに描いた油彩画。細かな点描で背景を埋め尽くし、不思議な浮遊感がある。躍動的なタッチと色が目を引くのは江戸雄飛さん。心に浮かんだ文字や数字を書き連ね、それをオイルパステルで塗りつぶし、あるいはペンのストロークで覆い尽くした。

 「若狭の色」をテーマにした小林雅代さんは、綿の糸をシソやクリ、アサガオ、スギなど地元の植物を用いて染め、5本の細木に巻き付けたインスタレーションを制作した。長谷光城さんは「再生」シリーズを披露。白い木片を点、線、面のイメージで組み合わせた造形は白化したサンゴを思わせる。「自然と人間の、新たな形での再生」を願った。

 フランスのパフォーマンスユニット、ボードワン・ヴェールさんとダフネ・ビイガ・ヌワナクさんは9月27日、盲目の女性芸能者「瞽女(ごぜ)」から着想したパフォーマンスを古民家「田辺邸」で披露。展示ではセミの声など熊川宿の音を取り入れた環境音楽に語りと歌の音声、写真スライドで独自の世界を見せた。

 体験交流施設「与七」では小宮太郎さんが、ガラスのテーブルに果物と、それらを模刻した粘土作品を置いたインスタレーションを制作。時間の経過とともに変わるもの、変わらないものを対比し、人が行き交い流れていく宿場町という場所を見つめた。

 作家は9月17~27日まで現地で制作した。そのプロセスを金津創作の森美術館長が写真などで記録、熊川宿若狭美術館に展示する。会期中は熊川宿の22カ所に地元の子どもたちの絵も飾られ、世代も超えた幅広い芸術に触れられる。

 会期は11月23日まで。平日の火~木曜休館。

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