
ポンプで活魚車に移されるトラフグの稚魚=15日、小浜市堅海の県栽培漁業センター
養殖トラフグの稚魚の出荷が5月15日、福井県小浜市堅海の県栽培漁業センターで始まった。6月中旬にかけて約7万匹を嶺南地域の養殖事業者に順次出荷する。海上での養殖を経て重さ約1キロまで成長させ、来年の冬ごろに「若狭ふぐ」として、県内の民宿などで提供される。
同センターは1999年からトラフグの稚魚を出荷している。若狭湾で取れた天然の雌と同センターで育てた雄をかけ合わせ、今年2月はじめに採卵。7センチサイズ(7~8グラム)約6万匹、10センチサイズ(15グラム)約1万匹を育てた。敦賀、小浜、若狭、高浜の4市町の計14養殖事業者に出荷する。
この日は7センチサイズ約4500匹を若狭町の事業者に出荷した。今回からフグへの負担軽減などを目的に、水槽からバケツで活魚車に移す方法からポンプに変更。職員がポンプをいけすにいれ、次々とふぐが活魚車に入れられていった。稚魚は出荷先の海上のいけすで育てる。
トラフグの養殖を担当する同センターの綿谷さんは「今年はフグのかみ合いが少なく、傷の少ない稚魚が出荷できた。淡泊な味と歯ごたえを楽しんでもらいたい」と話した。
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