• アコヤガイに核入れ作業を行う従業員=22日、おおい町犬見の間宮真珠養殖場
  • 直径4・5~6ミリほどの核が移植されるアコヤガイ
アコヤガイに核入れ作業を行う従業員=22日、おおい町犬見の間宮真珠養殖場

 きめが細かく美しい色が人気の真珠「若狭パール」の核入れ作業が、福井県おおい町内の業者で本格化している。今年は母貝となるアコヤガイの供給量が例年を大きく上回る見込みで、昨年の2倍となる約14万個のアコヤガイに核を入れる予定。従業員は8月中旬まで1日平均約1300個のペースで作業を続ける。若狭湾で育てられ、12月ごろ深い光沢を持った上品な真珠に成長する。

 同町犬見の間宮真珠養殖場では、5月14日から真珠の元を母貝となるアコヤガイの体内へ埋める核入れ作業が始まった。

 従業員はアコヤガイの卵巣に切り込みを入れ、直径約4・5~6ミリの丸い核と1ミリ四方に切った細胞「外とう膜」を移植していった。15年以上核入れ作業を行う従業員は「生きものなので、負担をかけないよう素早く作業するのを意識している」と話し、真剣な表情で手際よく核入れしていた。

 核入れ後は作業場近くのいかだに20日間ほどつるし貝を休ませた上で沖合で養殖する。フジツボなどの付着物を定期的に掃除しながら冬まで育てると、外とう膜が核を覆い、美しい真珠層が形成され若狭パールとなる。

 間宮さんは「若狭湾はプランクトンが豊富で、真珠が育つ環境に適している。成長が楽しみ」と話していた。若狭パールは12月~来年1月に取り出され、真珠産地の三重県に卸したり、自社で加工したりして販売する。

 

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