花の形に盛り付けられた若狭ふぐのてっさ=19日、小浜市阿納の四季の宿かわはら

 福井県若狭地方の冬の味覚「若狭ふぐ」の注文が県内外から相次ぎ、小浜市阿納の民宿が発送作業に追われている。てっさ(薄造り)やてっちり(鍋)を自宅で気軽に味わうことができ、地元組合の担当者は「身の締まりもよく、脂ものっているこの時季が一番おいしいので、ぜひ食べてほしい」とアピールしている。

 日本海の冷たい海で育った若狭ふぐは身が締まってしっかりとした歯ごたえが特長。同区では1980年代から若狭ふぐを養殖し、宅配はフグの消費拡大などを目的に区内の民宿4軒でつくる阿納ふぐ組合が89年に始めた。 

 前日に区内にあるいけすから重さ800グラムから1キロのフグを水揚げし下処理を施し、当日にてっさの盛り付けや袋詰めを行う。「四季の宿かわはら」では同組合長らがフグの身を薄く切って、大きな皿に白い花のように盛り付けたり、てっちり用のあらや薬味などを梱包(こんぽう)したり、協力して作業を進めていた。

 今季は昨夏の海水温上昇もあったが、11月ごろから海水温は下がり、生育は順調だという。

 発送は3月末まで。宅配セットは6種類あり1万500~2万4千円(送料込み)。Aセット(2万4千円)は3~4人前で、てっさや骨付き身、ふぐ皮やあら、薬味などが詰められている。問い合わせは同組合=電話0770(54)3555。

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