木製のピンを倒して得点を競う「モルック」を楽しむ愛好グループ「敦賀楽しモルックの会」のメンバー=敦賀市金ケ崎町

 棒を投げて木製のピンを倒し得点を競うスポーツ「モルック」が、福井県内で盛り上がっている。愛好グループが2年間で2団体増え、計3団体となり、各地で体験会を開催。奥が深く年齢を問わず楽しめ、愛好者は「会話が自然に生まれる。子育てや職場の研修にぴったり」とアピールしている。

 「娘と祖母の3人で対戦し、すごく白熱した。こんなゲームはほかにない」。敦賀市の愛好グループ「敦賀楽しモルックの会」代表の本間さんは、初めてモルックを体験した時に「これは人気が出る」と確信した。仲間を集めて今年1月にグループを立ち上げ、県内で唯一、全国の統括法人「日本モルック協会」(北海道)の公認を得た。

 モルックはフィンランド発祥。1~12の数字が書かれたピンに向かって順番に棒を投げ、倒したピンの数字や本数に応じて得点が入る。先に50点に達すれば勝ちだが、1点でも超えると25点に戻ってしまうため、駆け引きが展開される。

 日本協会によると、競技人口は世界で約10万人。国際大会もあり、申請すれば誰でも「日本代表」として出場できる。お笑いコンビ「さらば青春の光」の森田哲矢さんが世界大会に挑むなど魅力を発信して注目を集め、国内の競技人口は現在約1万人という。

 本間さんも、テレビで森田さんの活動を見てモルックを知った。敦賀赤レンガ倉庫の芝生広場などで親子向け体験会を企画すると、各地のイベント主催者から開催を依頼されるようになった。障害のある子ども対象の催しも好評だった。

 「地域のいろんな人が集って試合をしたり、食事をしたりして、モルックを生かしてにぎわいを生み出せたら」と本間さん。普及に向け、愛好グループに加わった「福井県住みます芸人」のカリマンタン・高橋むつをさんの発信力も借りる。

 県大会や北信越大会の開催も検討中だといい、「モルックの先進県にしたい」と意気込んでいる。入会などの問い合わせはメール(beeyourself2525@gmail.com)で。

 モルック 1996年にフィンランドで発案された。1~12の数字が書かれた円柱のピンを並べ、3・5メートル離れた位置から棒を投げ、1本倒せば数字が得点に、2本以上なら倒れた本数が得点(5本なら5点)になる。倒れたピンをその場で起こして次の選手が投げるため、相手が狙いそうなピンを遠くに飛ばすなどの駆け引きが魅力。日本を含む13カ国が国際モルック連盟に加盟している。
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