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柿本さん(右)の指導を受け、ぬかにシカ肉を漬け込む学生=8日、おおい町名田庄納田終の「よざえもんカフェ」
くさみなどなく、ヘルシーな味わいのシカ肉へしこ
柿本さん(右)の指導を受け、ぬかにシカ肉を漬け込む学生=8日、おおい町名田庄納田終の「よざえもんカフェ」
シカ肉を使ったへしこの仕込み作業が福井県おおい町名田庄納田終の「よざえもんカフェ」で行われている。くせが少なくヘルシーな味が特長で、おにぎり、お茶漬けなどで提供している。同カフェのスタッフ、柿本さんは「ジビエは初めてという人にこそ食べてもらいたい。おいしさを味わってもらえるはず」と話す。
同カフェを管理するNPO法人「森林楽校(がっこう)・森んこ」が、食害防止へ駆除されたシカの有効活用に向け約5年前に「シカ肉へしこ」を考案した。地元の特産品化と、環境問題に関心を持ってもらおうと、2021年にふるさと納税型クラウドファンディング(CF)で資金を調達。調理場を改修し翌年から毎年2キロほどを漬け込んでいる。
おおい町や美浜町で捕ったシカのモモ肉を使用。サバのへしこを作る工程と大きな違いはなく、塩漬けした肉と、地元の農家から提供された米ぬか、塩水を混ぜ合わせ、たるで9カ月ほど熟成させ仕上げる。
2月8日には、県立大海洋生物資源学部の2年生3人が授業の一環で仕込みを手伝った。1月下旬に塩漬けした2キロの肉を使い柿本さんの指導を受けて作業を進めた。11月ごろまで漬け込み完成させる。
シカ肉へしこは同カフェでおにぎりやお茶漬け、リゾットなどで味わえる。お客さんからは「食べやすくおいしい」などと好評という。現在は昨年分までのへしこが食べられる。柿本さんは「全国見渡してもここでしか食べられない味だと思う。鉄分など栄養素も豊富」とアピールした。
完全予約制。問い合わせは同カフェ=電話0770(59)1135。
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