福井県嶺南6市町を結び、若狭湾や三方五湖などの雄大な自然を楽しめる自転車道「若狭湾サイクリングルート(愛称・わかさいくる)」。滋賀県の琵琶湖を一周する自転車道「ビワイチ」と双方の魅力を発信しようと、福井、滋賀両県が5月16日に開いた報道陣向けサイクリングツアーに参加した。地元民や自然を紹介するガイドの充実した案内の下、湖沿いを走る爽快さを体感した。
わかさいくるはJR敦賀駅から若狭高浜駅を結ぶ全長126キロで、国のナショナルサイクルルート指定に向け整備が進められている。ビワイチは同ルートに指定されており、今回のツアーは両自転車道やそれぞれをつなぐルート、サイクリングガイドの魅力発信を目的に開かれた。
ツアーはマキノ駅(滋賀県高島市)をスタート。同市で自転車店を営み、自ら行程を組んでツアー商品として販売し、サイクリングガイドもしている佐山恭一さん(47)が案内してくれた。レンタサイクルに乗り、穏やかで広々とした琵琶湖を横目に走行。道中には松林で日差しが遮られる部分もあり、心地よく走った。
琵琶湖ではカヤックも体験。湖沿いの同市マキノ東小の児童に長年カヤックを教えている川崎さんの指導を受けた。こぎ方や安全な乗り方などの説明は分かりやすく、湖を滑らかにスイスイ進むのは路上では味わえない快適さだ。
昼食は同市から若狭町につながる国道303号沿いにある同町熊川の「サバカフェ」で素揚げしたサバがのった丼を頂いた。サバのしょっぱさとピリ辛ソースが相性抜群でおいしく、疲れが一気に吹き飛んだ。
五湖沿いは、嶺南地域でのサイクルツーリズム事業を手掛ける一般社団法人「WAKASABAY PRIME」代表理事の反田さんがガイドしてくれた。実がなっている梅林の中を風を切りながら疾走。菅湖については「五湖の中で面積は最小だが、水は一番きれいだと思う。サイクリストの中でも人気が高い」と教えてくれた。
水月湖沿いは湖面がすぐそばで、「ここまで湖の近くを走れる場所はなかなかない」と反田さん。太陽の光を浴びて輝く水面から羽ばたく水鳥や新緑が美しい山々を見て大自然を堪能した。
走行距離は合わせて約23キロ。自転車に長時間乗ったのは高校の通学以来で、疲れはしたものの、大きさが日本一の琵琶湖やそれぞれ異なる風景を持つ五湖の近くを走るのは非日常感あふれ、リフレッシュできた。サイクリングの魅力を実感した一日だった。
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