本番さながらに「三番叟」を披露する児童=29日、美浜町早瀬の早瀬観光センター

 福井県美浜町早瀬に伝わる町指定無形民俗文化財「子供歌舞伎」が5月3日午前9時から、区内の日吉神社などで4年ぶりに奉納される。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年から中止となっていた伝統芸能の復活に住民らは盛り上がりを見せている。29日は、リハーサルの「足固め」が早瀬観光センターで行われ、舞台に上がる児童4人が練習の成果を披露した。

 子供歌舞伎は住民でつくる保存会が中心となって営んでいる。保存会によると、区内で流行した疫病を鎮めるため1857年に始まったという。当日は、山車の舞台で、祝いの舞とされる「三番叟(さんばそう)」を演じる。

 今年の舞い手は美浜西小の4年生2人、2年生2人の4人。2月中旬から週3回の練習を重ねてきた。

 この日は、保護者や地域住民約35人が見守る中、子どもたちはきらびやかな衣装に身を包んで3人ずつ舞台へ。三味線や拍子木の音に合わせ、本番さながらに金色の扇や鈴をかざして舞や足拍子など切れのある動きを披露し、伝統芸能の継承役としての気持ちを高めていた。

 児童は「一生懸命頑張ってきた練習の成果が発揮できた。この調子で本番でも3人で息を合わせてかっこよく踊りたい」と意気込んだ。保存会の会長は「コロナが収まり、4年ぶりに開催できることに区民全員が非常にうれしく思っている。子どもたちにはこれまでの自分の努力を信じて、立派に披露してほしい」と話していた。

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